最近、自分の仕事をマニュアル化することを心がけています。
新しいことを1つ覚えたり、サポートに問い合わせて「同じ問題を繰り返す可能性があるな」というときは特に積極的に。
自分がいなくても仕事が回るようにする
マニュアル化するメリットは5つあると思います。
- 担当者がいなくても、最低限の対応ができるようにする
- 新任に、基本を説明しやすい
- その仕事の全体像を把握できる
- 改善点を見つけたら、更新できる(見つけやすい)
- 自分の記憶から、業務フローを手放す
もちろん、業務が画一化してしまうというデメリットをすぐに感じる人もいると思います。しかし、マニュアルにすることでその仕事の「基準」ができるような気がします。そこから無駄を省く、新しく追加する、などのチューニングをおこなうことで最適化に進むのではないでしょうか。
仕事がいつか、職人芸になってしまう
私のいる会社の傾向なのですが、仕事が「その人しかできない」という事態になってしまいます。専門家化ですね。
先日、人事の人と話をしたとき「私は”人に仕事を就けるな”っていつも言ってるんだけどね・・・」と嘆いていました。まさしくこれです。自分が得意でない仕事や、自分が担当でない仕事はもちろんあります。デザイナーやエンジニア、プログラマなど専門知識が必要な人を除き、オペレーション(つまり流れ)は担当でなくても理解しておく必要があると思います。
そして、流れをわかっておけば「この時どうするか?」という対応はいつもやっている人に普段聞いておく。「なぜそうするのか?」も併せて。
マニュアルにできない仕事は、説明ができない
マニュアルは通常、テキストベースで書きます。もちろん図解が必要なこともありますが、流れと詳細を文字で起こします。
マニュアル化できない、ということは書面で説明ができないということ。その人の頭の中でしか考えられない=職人芸になってしまうわけです。
この文章を読んでいる人の中では「口頭なら説明できる」「口で言うほうが早いんだよ」と思うこともあるかもしれません。しかしそれは、「自分の説明しやすいように」言ってしまうことになるし、「習いたい人が質問しにくい」状況になります。
マニュアルがあれば「ここが理解できない」「この部分はなぜやるのか?」といったことが整理しやすいんです。そもそもマニュアルは、書く人が仕事の流れを整理して書こうとするから、口頭で説明するよりもわかりやすくなるはず。
私がいなくなったら、それは誰かの仕事になる
私自身は、転職するときのことも考えてマニュアルを作っています。
実際に1か月半、会社を休んだ経験も活かし(その前から実践はしていましたが)、自分自身が転職するときのことも考えて、ノウハウや知識をマニュアルに書き溜めています。
このツイートのように、自分が辞めるための準備を滞りなくおこなう。辞めるためと言うと語弊がありますが「万一の状況」になったとしてもそれは役立ちます。
転職者の最後の役割は「引き継ぎを滞りなく行うこと」であって、後任をどうするのか、退職後の職場環境をどうするのかは転職者が心配すべきことではありません。
— イシコ @3/17出版『入社一年目からどう働くか』 (@newsalaryman_21) May 25, 2021
「自分がいなくなった後どうなるだろう…」という心配は残った人がやるべきことなので、転職者本人はあまり気にせず動きましょう。
転職や休職のきっかけは人によりさまざま。病気や介護、育児休暇、ステップアップ。今すぐにそうならない人も、いずれその日が来る可能性があります。
私は「これが自分の仕事」と抱え込んでいる人を見ると悲しくなります。私もあなたの仕事に触れてみたいし、私の仕事も共有したい。私自身も、今社内では私だけが対応している仕事もあります。でもそれはもうマニュアルに落とし込んであるわけです。
まずはメモ帳に書き溜めておく習慣を
もしみんなで書き込めるプラットフォーム(仕組み)がない場合にはテキストで書き溜めておく。手書きメモでなく、テキスト。そうすれば尋ねられてもチャットやメールで送りやすいし、もしシステムを導入するとなったらコピペで使える素材が財産になります。
私もこの「テキスト化」の方法で、実際にとある部門のマニュアルづくりを命じられた時に流れをおさらいできたり、テキストファイルを生かすことができました。
仕事だけでなく、ブログを書くときによく使うソースをEvernoteにメモしておくなども有効。ノウハウはどんどん頭の中から出しておいて、新しいインプットを増やしましょう。